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【NASM-PES】世界基準のパフォーマンス向上スペシャリストの資格について解説

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2025.12.5

みなさんこんにちは!ノバス代表の脇坂です!

一般の方のボディメイクや健康づくりとは違い、アスリート指導では“パフォーマンスを上げる”という明確な目的があります。そのためには、筋力やスピード、瞬発力といった身体能力を科学的に分析し、根拠をもって改善していくスキルが必要です。

今回紹介する【NASM-PES(Performance Enhancement Specialist)】は、まさにその領域に特化した資格です。世界的に評価の高い「全米スポーツ医学協会(NASM)」が認定するスペシャリストで、トップアスリートから一般競技者まで、あらゆるレベルのパフォーマンス向上をサポートできる専門家を育成しています。

私自身、現役時代には怪我やコンディション不良で苦しんだ経験がありました。当時、こうした科学的なトレーニング理論を知っていたら、もっと長く、もっと良いパフォーマンスを出せたと思います。だからこそ、今は経営者として、若いトレーナーたちにこの学びを伝えたいと感じています。

本記事では、NASM-PESの基本情報から、学べる内容、資格のメリット、活躍できるフィールド、さらに他資格との違いまで、現役トレーナー兼経営者の視点で詳しく解説していきます。


NASM-PESの基本情報

認定団体

NASM(National Academy of Sports Medicine/全米スポーツ医学協会)。NASMはパーソナルトレーナー教育で世界的に認知度が高く、科学的根拠に基づいた教育体系を持つ団体です。PES(Performance Enhancement Specialist)はその中でも「パフォーマンス向上」に特化した専門資格で、トップアスリートやチームトレーナーの育成に強みを持ちます。

位置づけ

PESはNASMのスペシャリゼーション(専門分野)にあたり、基礎資格であるNASM-CPT(認定パーソナルトレーナー)の上位・発展的資格として位置づけられています。すでにトレーニング理論や指導経験を持つ方が、さらに競技指導やアスリート支援に特化して学びを深めるための資格です。

受講条件(推奨)

受講に必須の条件はありませんが、NASM-CPT、NSCA-CPTなど同等の基礎資格を持っていることが望ましいとされています。また、大学や専門学校で運動生理学・解剖学を学んだ経験があれば、より理解が深まります。

試験概要

形式:オンライン試験(選択式100問/制限時間90分)
合格ライン:70%以上
受験方法:オンラインにて受験可(自宅または指定会場)
試験はすべて英語ですが、教材には日本語サポート付きのコースもあり、学習のハードルは年々下がっています。

学習形式

オンライン教材、動画講義、模擬試験、電子テキストを組み合わせたセルフペース学習。
約3〜6か月で修了できるボリューム感で、働きながらでも無理なく進められます。

学べる内容


パーソナルトレーニング

NASM-PESでは、アスリートの「最大パフォーマンスを安全に引き出す」ための理論と実践を体系的に学びます。
現場経験のあるトレーナーでも、ここまで科学的に整理された指導法を学べる機会はなかなかありません。

● 運動生理学と解剖学

筋肉、骨格、神経系の連携を理解し、動作の本質を分析できるようになります。「筋肉を鍛える」ではなく「動作を整える」という視点で考えるのがPESの特徴。ジャンプ動作一つを取っても、単純な下半身強化ではなく、股関節可動域やコアの安定性まで考慮してアプローチします。この知識を身につけることで、パフォーマンスアップだけでなく、ケガの予防にもつながります。

● トレーニングプログラムの設計

NASM独自のOPTモデル(オプティマル・パフォーマンス・トレーニング)をベースに、「安定性→筋力→パワー」という順序で段階的に身体を作り上げる方法を学びます。各フェーズで必要なトレーニング変数(負荷・回数・セット・休息)を科学的に設計し、個人の目標に合わせた“根拠あるプログラム”を構築できるようになります。

● 栄養学とコンディショニング

PESでは、栄養とトレーニングの関係も深く学びます。食事内容、摂取タイミング、リカバリー栄養素など、アスリートのパフォーマンスを支える「内側からのサポート」も重視。現場では「練習は頑張っているのに、疲労が抜けない」という選手が多いですが、その原因の多くは栄養と回復戦略の誤りにあります。PESでの学びは、そうした問題を的確に改善する武器になります。

● リスク管理と応急処置

ハイパフォーマンスを求めるほど、ケガのリスクは高まります。PESでは、動作不良やフォーム崩れを早期に発見し、リスクを最小限に抑えるスキルを習得します。また、急なケガや体調不良への初期対応、CPR・AEDなどの応急知識も学ぶことで、安心安全な指導環境を作る力が身につきます。

● パフォーマンス心理学

肉体を鍛えるだけでなく、メンタルの強化もパフォーマンスには欠かせません。PESでは、アスリートがプレッシャー下でも実力を発揮できるよう、心理的サポート・目標設定・行動変容の理論を学びます。技術指導だけでなく“心を支えるトレーナー”としての力も養われるのです。

PESで得られる知識は、すべて現場で使える「実践的スキル」です。私自身、現役時代に感じていたのは「感覚でやっている選手ほど伸び悩む」という現実でした。PESで学ぶことで、その“感覚”を科学的に裏付けできるようになります。筋力だけでなく、動作効率・安定性・メンタル面までを統合的に捉える視点は、まさにプロフェッショナルの証。

また、この理論はアスリートに限らず、一般の方の健康づくりや姿勢改善にも応用可能です。「速く」「強く」「しなやかに」動ける身体づくりは、すべての人に共通するテーマ。PESは、トレーナーとしての指導力を“感覚”から“科学”へと進化させる大きな一歩になるでしょう。


資格取得のメリット

NASM-PESの最大のメリットは、「世界基準のパフォーマンス理論を持つ専門家」として認められることです。国内での認知も高まりつつあり、スポーツチーム、大学機関、パーソナルジムなど多くの現場で高く評価されています。

経営者として採用する立場から見ても、PES保持者は非常に魅力的です。単にトレーニングを教えるのではなく、「なぜその動作が必要か」を理論的に説明できる。これがクライアントや選手の信頼を得る大きなポイントになります。

また、PESの知識は現場で即使える実践的な内容が多く、すぐに成果に結びつきやすい。特にアスリート指導においては、短期間で動作の質やスピード、反応力が変化することも珍しくありません。その「目に見える変化」が、トレーナーとしての信頼を一層高めてくれます。

さらに、国際的に通用する資格であるため、海外での活動や国際大会のサポートにも有利。国内にとどまらず、世界を舞台に挑戦したいトレーナーにとっても大きな武器となります。


資格を活かせるフィールド

NASM-PESは、アスリートのパフォーマンス向上を軸に、幅広い現場で活かせます。

  • プロ・アマスポーツチームのトレーナー
  • アスリート専門パーソナルジム
  • フィットネスクラブでのパフォーマンストレーニング
  • 学校や大学の部活動指導
  • リハビリ・再発予防に特化した施設
  • 一般の方へのボディメイク・健康づくり

PESの理論は、競技スポーツだけでなく、動作の質を改善したい一般層にも応用できます。つまり「パフォーマンス」という言葉を「試合で勝つ」から「人生を快適に動ける身体をつくる」まで広く捉えられるのです。私自身、アスリート時代もトレーナーとしての今も感じるのは、「動ける身体こそが最高の資産」ということです。

NASM-PESで学ぶ理論は、まさにその“動作の質”を科学的に高めるためのもの。競技パフォーマンスの向上はもちろん、日常生活での姿勢改善や疲労軽減、ケガ予防にも応用できるため、スポーツチームだけでなく、パーソナルジムや企業フィットネス、リハビリ施設など、活躍の場は非常に広いです。

実際にPES保持者の中には、ジュニアアスリートの育成から、社会人の運動指導、高齢者の機能改善までを手掛ける人も多く、「運動の専門家」として多角的に活動しています。PESの知識は、競技スポーツだけに閉じたものではなく、「生涯を通じて動ける体をつくる力」そのもの。

私のジムでも、アスリートだけでなく一般のクライアントにもPESの理論を活かしたセッションを提供していますが、身体の変化が早く、動きがスムーズになったという声を多くいただきます。PESは、どんな対象でも「動作を整え、力を最大限に引き出す」ための普遍的なメソッド。だからこそ、この資格を持つトレーナーは現場で長く信頼され続けるのです。


他資格との違い

また、NESTA-PFTやJATI-ATIなどの資格は一般クライアントやトレーニング基礎の指導が得意分野ですが、PESは競技者のパフォーマンス改善に直結する「応用的なトレーニング戦略」に強みを持ちます。

パフォーマンス系資格は数多く存在しますが、NASM-PESの特長は「動作分析×科学的根拠×段階的プログラム設計」にあります。たとえば、NSCA-CSCSがストレングスとコンディショニングの理論を包括的に扱うのに対し、NASM-PESは「動作」を中心にアプローチするのが大きな違いです。

さらに、健康運動指導士や理学療法士がリハビリや健康維持の側面を重視するのに対し、PESは「競技で成果を出すための身体づくり」にフォーカスしています。ただし、学んだ内容はリハビリ後の競技復帰など、医療とパフォーマンスの橋渡しにも応用可能です。

つまりPESは、健康・美容・競技すべての領域をつなぐ「架け橋」のような存在。私が経営者として感じるのは、これからの時代、トレーナーに求められるのは「動作を評価し、改善できる力」です。その点で、PESのカリキュラムは現場のニーズにぴったりと合致しています。


まとめ

元アスリートとして、そして今トレーナーを育てる立場として断言できるのは、「動作を理解し、改善できるトレーナー」こそが本物のプロフェッショナルだということです。

私が選手だった頃、努力や根性だけでは超えられない壁がありました。それを打ち破るには、体の仕組みを「知っている」指導者の存在が不可欠だったと思います。NASM-PESは、まさにその「知識と理論を持つ指導者」を育てる資格です。

感覚ではなく、科学。根性論ではなく、再現性。PESで学ぶことで、あなたの指導は確実に変わります。

また、PESの魅力は「すぐ現場で使える」点にもあります。学んだことを次の日のセッションから活かせる実践性の高さは、他資格にはない強みです。私のジムでもPES保持者のトレーナーはクライアント満足度が高く、リピート率も非常に安定しています。

これからトレーナーを目指す方にとって、PESはキャリアの中核を担う資格になるでしょう。アスリートを支えたい、動作分析を極めたい、指導の質を高めたい。そう感じている方には、ぜひ挑戦してほしい資格です。

パフォーマンスを上げることは、単に「強くする」ことではありません。その人の可能性を引き出し、未来を変えることです。NASM-PESは、その力をトレーナーに与えてくれる世界基準の学び。あなたの“指導”が、誰かの人生を動かす。その一歩が、この資格から始まります。

記事執筆 監修者

ノバス 代表 脇坂諭

株式会社ノバス 代表取締役 脇坂諭
パーソナルジム ノバス代表 / キャリア採用担当
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【キャリア】
鹿屋体育大学 体育学部 体育・スポーツ課程を卒業後、サッカー選手として現J3カマタマーレ讃岐に4年間在籍。

引退後、トレーナーとしてのキャリアをスタート。体育スポーツ学の専門性とアスリートとしての経験を活かし、2015年に株式会社ノバスを創業。

パーソナルジム事業に加え、フランチャイズ本部、プロダクト開発、健康ソリューション事業などを展開。

ノバスの理念である「ジムのある暮らしを、一生モノの習慣に」を体現するため、オンラインコンテンツ「ノバスオンライン」の開発など、継続支援システムを構築。

香川県や高松市といった行政との提携実績があり、企業の健康経営支援サポートや、各種セミナーやメディア出演(KSB瀬戸内海放送15回)を通じ、健康の普及に尽力している。

【経歴】
現J3カマタマーレ讃岐 選手

【学歴】
鹿屋体育大学 体育学部 体育・スポーツ課程(学士号)

【保有資格】
健康運動指導士
保健体育教員免許
健康経営アドバイザー

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