COLUMNコラム
健康運動実践指導者 |「実践力」と「現場対応力」を身につける国内資格について徹底解説

2025.12.3
みなさんこんにちは!ノバス代表の脇坂です。
日々さまざまなクライアントと関わる中で、運動を通じた健康づくりの重要性を強く感じます。ダイエットやボディメイクだけでなく、生活習慣病予防や介護予防、メンタルの安定など、運動が果たす役割は多岐にわたります。
そんな時代の中で注目されているのが、健康運動実践指導者 という資格です。この資格は、運動を『安全に、かつ効果的に』提供する専門家を養成するもので、特に一般高齢者や生活習慣病予備群に対する運動指導に強みがあります。
今回は、資格の基本情報から学べる内容、取得メリット、活かせるフィールド、そして他資格との違いまで、私自身の現場経験と経営者としての視点を交えながら詳しく解説します。
健康運動実践指導者の基本情報
健康運動実践指導者は、公益財団法人 健康・体力づくり事業財団 が認定する公的資格です。医療や介護と連携しつつ、一般の方々が安心して運動できる環境を提供することを目的としています。特に、運動経験の少ない方や高齢者、生活習慣病のリスクを抱える方への指導が想定されており、現場対応力を重視する資格です。
認定団体
受験資格
- 高等学校卒業以上
- 財団が認定する養成講習会修了者
- または大学・専門学校で運動科学・健康科学分野を履修した者
試験概要
- 試験形式:マークシート方式
- 出題範囲:運動生理学、解剖学、バイオメカニクス
- 合格率:約70〜80%
- 試験実施:年1回(全国主要都市)
資格更新は5年ごとで、現場活動報告や講習受講が必要です。常に最新の知識を学ぶ姿勢が求められます。

学べる内容
健康運動実践指導者は、運動の知識だけでなく“人の生活を支える力”を体系的に学べるのが特徴です。
1.運動生理学・解剖学
筋肉や骨格、心肺機能の仕組みを理解することで、個々の体力や疾患リスクに応じた安全な運動指導が可能になります。
2.プログラムデザイン
ウォーキング、筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチなどを組み合わせ、生活習慣や体力に応じた運動プログラムを作成します。特に高齢者や運動初心者向けに調整する技術が重視されます。
3.栄養学・生活習慣改善
運動だけでなく、栄養・睡眠・ストレス管理を含めた総合的な健康づくりを学べます。運動の効果を最大化する生活習慣改善の知識は、現場で非常に役立ちます。
4.行動変容・心理的サポート
運動を継続させるための心理的アプローチやコミュニケーションスキルも学びます。継続を支える“寄り添う力”は、健康運動実践指導者ならではの強みです。
5.応急処置・安全管理
CPRやAEDの使い方、緊急時対応マニュアルの理解など、安全管理の知識も必須です。これらを通して身につくのは、単なる運動指導力ではなく、「健康を守る力」です。体を鍛えることだけでなく、生活全体を整える指導ができる点が、健康運動指導士との大きな違いです。
指導士がプログラムの企画・監修を行うのに対し、実践指導者は現場で直接運動を届け、クライアントに寄り添う役割を担います。この実践力こそが最大の魅力です。
資格取得のメリット
健康運動実践指導者を取得する最大のメリットは、クライアントの健康や生活に直接的な影響を与えられる実践力を身につけられることです。私がジムを運営して感じるのは、運動初心者や高齢者、生活習慣病予備群の方に対して、安全かつ効果的に運動を届けられるトレーナーは非常に貴重だということです。
この資格を持つことで、ただ体を鍛えるだけではなく、生活全体に寄り添った指導が可能になり、「運動が怖い」「体力に自信がない」と思っていた人も少しずつ自信を取り戻し、笑顔で日々を過ごせるようになります。さらに、医療や介護、行政と連携する現場でも活躍できるため、働くフィールドが非常に広いのも大きな魅力です。
実際に現場でクライアントと接する中で、体の変化だけでなく、生活の質や精神的な安定に貢献できることは、何物にも代えがたい達成感につながります。また、健康運動指導士との役割分担を理解し、現場で実践できる力を持つことは、他のトレーナー資格にはない“現場力”としての強みになります。
取得することで得られる知識、経験、そしてクライアントとの信頼関係は、あなた自身のトレーナーとしての成長を支え、どの現場でも必要とされる存在になるための大きな武器となるのです。
資格を活かせるフィールド
- フィットネスクラブ・パーソナルジム:初心者や高齢者への安全な運動指導、体力測定、健康相談。
- 医療・介護施設:リハビリ後の運動支援、介護予防プログラムの実施。
- 行政・地域健康事業:市区町村の健康教室や介護予防教室で地域住民をサポート。
- 企業・学校・公共機関:職員の健康増進や生活習慣改善プログラムの実施。
運動指導の現場で私が最も感じるのは、トレーナーの仕事は単に筋力や体力を伸ばすことだけではなく、人の生活や人生に寄り添うことだということです。健康運動実践指導者の資格を持っていると、運動経験が少ない方や高齢者、生活習慣病予備群の方にも安心して運動を届けられます。
「今日は歩けるかな」「筋トレは大丈夫かな」と不安を抱える方が、少しずつ自信を取り戻し、笑顔で帰っていく瞬間を見られるのは、この資格ならではの喜びです。
ジムや地域の教室、医療・介護現場など、どのフィールドでも共通しているのは、人の変化を間近で感じられること。運動を通じて「元気になった」「生活が変わった」と言われる瞬間は、何物にも代えがたい達成感があります。
健康運動実践指導者は、ただ体を鍛えるだけでなく、クライアントの人生に触れ、支え、導くことができる資格です。この経験こそが、トレーナーとしての自信と成長につながり、どんな現場でも求められる人材になる大きな財産となるのです。
他の資格との違い
健康運動実践指導者と健康運動指導士の違いを整理すると、わかりやすくなります。
- 健康運動指導士:医療・介護・行政の現場での運動指導計画や監修を中心とする上流工程。プログラム設計や指導方針の立案が強み。
- 健康運動実践指導者:実際にクライアントと接し、安全に運動を届ける現場担当。寄り添う力や安全管理、個別調整能力が求められる。
つまり、指導士は「計画と管理」、実践指導者は「運動を届ける力」が中心です。健康運動指導士はプログラムの企画・監修や行政・医療との連携に強みがありますが、実際にクライアントと向き合い、運動を直接届ける現場での経験は、必ずしも網羅されていません。
それに対して、健康運動実践指導者は文字通り“現場の最前線”で動けることを重視しており、運動経験の少ない方や高齢者、生活習慣病予備群の方に安心して運動を提供できる実務力を養います。また、NSCA-CPTやJATI-ATIのように競技者やボディメイク志向の指導に特化した資格とは異なり、幅広い年代や体力レベルに対応できる点も大きな違いです。
現場でクライアントの変化を間近で感じ、寄り添いながら指導できる経験は、トレーナーとしての自信や成長に直結します。健康運動実践指導者は、安全で効果的な運動を届けながら、人の生活や健康に直接的な影響を与えられる、まさに“現場力に特化した資格”と言えるでしょう。
まとめ
健康運動実践指導者は、単なる運動指導者ではなく、クライアントの生活や人生に寄り添う「健康の伴走者」としての役割を持つ資格です。運動初心者や高齢者、生活習慣病のリスクを抱える方に対して、安全かつ効果的な運動を提供できる力は、現場で非常に求められています。
私自身、ジムを運営する中で、体力や健康状態に不安を抱える方が少しずつ自信を取り戻し、笑顔で変化を実感する瞬間を何度も見てきました。それは何物にも代えがたい喜びであり、この資格の価値を物語っています。
また、健康運動指導士との役割の違いを理解し、現場で実践できる力を身につけることで、行政や医療、地域事業など幅広いフィールドで活躍のチャンスが広がります。運動を通じて人の生活に変化をもたらし、信頼されるトレーナーになる。
その第一歩として、この資格は最適です。学んだ知識や経験は、あなた自身の成長にもつながり、どの現場でも求められる価値あるトレーナーとしての基盤を築くことができます。
記事執筆 監修者

株式会社ノバス 代表取締役 脇坂諭
パーソナルジム ノバス代表 / キャリア採用担当
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【キャリア】
鹿屋体育大学 体育学部 体育・スポーツ課程を卒業後、サッカー選手として現J3カマタマーレ讃岐に4年間在籍。
引退後、トレーナーとしてのキャリアをスタート。体育スポーツ学の専門性とアスリートとしての経験を活かし、2015年に株式会社ノバスを創業。
パーソナルジム事業に加え、フランチャイズ本部、プロダクト開発、健康ソリューション事業などを展開。
ノバスの理念である「ジムのある暮らしを、一生モノの習慣に」を体現するため、オンラインコンテンツ「ノバスオンライン」の開発など、継続支援システムを構築。
香川県や高松市といった行政との提携実績があり、企業の健康経営支援サポートや、各種セミナーやメディア出演(KSB瀬戸内海放送15回)を通じ、健康の普及に尽力している。
【経歴】
現J3カマタマーレ讃岐 選手
【学歴】
鹿屋体育大学 体育学部 体育・スポーツ課程(学士号)
【保有資格】
健康運動指導士
保健体育教員免許
健康経営アドバイザー
【ノバス店舗一覧】


